歩く基準を決めようよ
先日書いた「いわきの人間は歩かない」は、かなり一方的で感情的なハナシになってしまっていた。おまけに批判だけではフェアとは言いがたい。仙台での距離感の違いに愕然としていたのと、授業参観の惨状にムカついていたせいだ。いわき市民の皆さん、ごめんなさい。
そこで、少し落ち着いて、ちょっとだけ提案をしたい。
提案:クルマを出す時、歩く時の自分基準をきめよう
「あそこのコンビニまでは15分で行けるから、晴れてたら歩く」
「スーパーまでは30分ある。買い物の量がカートに乗る程度なら歩き、多いときはクルマ」
というふうに、歩く時、クルマの時をルール化する。
- 無理なく歩ける距離
これは、人によって違う。ハンディのない方なら、1時間かそこらは問題ないはず。 - 使える時間
これは完全にケースバイケース。ただ、昼間、家に居る方へ言いたい。昼間のTVはまったく見る必要のないものだ。その証拠に、日中働いている方は、そんなもの見てなくても生活している、必要なら録画すればいい。この時間を買い物に歩いていくのに使える。 - 天候
晴れている、というのが大方の条件になりそうだが、多少の雨なら傘さして歩くのも、意外に新鮮で良い気持ちがする。逆にギラギラの時は危険なのでやめましょう。 - セキュリティ
女性の夜中の一人歩きは論外。危険な場所があるなら無理しない。
こういった要素を加味して、自分なりの決めごとをつくっておく。何回かやっていると、簡単に習慣化できますよ。
提案:子供は可能な限り歩かせよう
私の子供の例だけど、上の子はあまり歩かせなかったので、ぽーっとなってしまった。反省して、下の子は、出来る限り歩かせた。なにが違っただろうか?
- 体力
当たり前だけど、基礎体力が違う。 - 持続力
体のパワーの使い方が違う。歩いていた子は、体力を長く使いのばすことを知っている。一方、歩かなかった方は、パーッと盛り上がって、すぐバテる。 - 近所の地理
クルマに乗っている場合、道沿いの陸標は、大人でも覚えられない。
歩く子は、近所の陸標を覚えている。迷っても、知っている陸標を頼りに戻ってこられる。歩かない子は、近所の陸標を覚えていないので、歩かせると迷ってしまう。しかも、近道や通れない所に対する勘が全然ないので、迷ったら帰ってこられなさそう。 - 周囲への関心
歩く子は、否応なく周囲を観察することを覚える。足下の地面の違いから始まって、地形のパターン、建物の種類、歩いている人(どんな風に歩いてる?ヤバそう?)、クルマの音の聴こえ方(どこから、どんな風に来る?)、信号の癖…。歩かない子は、周囲への関心が少なく、自分に興味があることしか感じていない。後ろから来るのが人なのか、自転車なのか、クルマなのか、あまり意識していない。 - マッピング能力
歩く子は、頭の中に地図を持ち、自分がどこに居るかを把握しやすい。今、自分がどちらへ向かっているかも大体分かっている。歩かない子は、どこにいるか分からないだけでなく、自分がどちらに向かっているか分かっていない。右に2回曲がったら、おおむね反対方向へ向いているはずだが、この感覚が身に付いていない。
子供が歩くためには、親も一緒に歩かなければならない。これだけのメリットがあるので、出来うる限りの時間を、子供と歩くのに投資するのをお勧めする。ウィークデイが無理なら、休日に近所ぐるぐるから始めてはどうだろうか?
親が歩く歩調、ルーティング、歩道のどこを歩くか、水たまりのよけ方、挨拶を交わした人、こうやって、子供は自分の街の感じをつかんでいくんだと思う。