「ポーギーとベス」をお勧め

先日、義父が「ポーギーとベス」Porgy & Bess [DVD] [Import]のDVDを送ってくれた。ガーシュイン大好きと知っていて、退職のお見舞いをくれた義父の心遣いに、うるっとした。たぶん、このオペラなら励ましになる、と考えてくださったに違いないと思う。
気を取り直して観たら、やっぱり凄かった。ポーギーがベスに「心配すんな。奴が来ても俺が何とかしてやる」と歌いかけるシーンなんか、最高にかっこいい。直後、有名な"I love you, Porgy"が来る。この部分は、二人がすごいハイテンションな状態で歌い合う。強烈なラブソングで、聴いているととても切ない*1
そしてラスト、だまされて行方不明になったベスを探しに旅立つポーギーが歌う"Oh Lawd, I'm On My Way"。まったく迷いのない力強さ、どこに行ったかも分からないベスを探しに行くっていうのに…。歌の通り、神の導きがあるように祈らずにはいられない。
ああ、私は"I'm On My Way"には程遠いなぁ。でも、このパワーに感動できるってことは、だんだん良くなって来てるのかも、とも思う。
このオペラは、ガーシュインの代表作なのに、ほとんどの役を黒人が演じなければならない*2せいか、なかなか生では観られない。3年前だったか、渋谷で演っていたのは見逃してしまった。
なにしろ元から英語で書かれているので、イタリア物に比べるとかなり分かりやすい。ガーシュイン独特の旋律も、むしろ今風の音楽に近いので、聴きやすいオペラだと思う。
DVDだと英語字幕も見られるので、超おすすめの一本です。

*1:たまに"I love you, Porgy"をノンビリと歌うシンガーがいたりするが、このシーンを知ってしまうと、何だかなぁ。ムーディでいいんだろうけど。

*2:ガーシュイン自身の指示、と聞いたような気がする